彼女は音楽史にその足跡を残しただけでなく、マーティン・ルーサー・キング牧師とともに戦争に反対したり、公民権を支持したりと、多くの戦いを通じて、より広くアメリカ社会に足跡を残したアメリカのアーティストだった。ジョーン・バエズは2019年2月、パリ(オリンピア)で最後のコンサートを行い、この偉大なアーティストの歌声と、いまだに私たちの頭の中に響いている彼女のバラードの数々に圧倒されたファンの前でコンサートを行った。
その数カ月後、正確には7月、ジョーン・バエズはマドリードで最後のコンサートを行った。 ニューポート・フォーク・フェスティバルでのパフォーマンスで一般大衆の注目を浴びるようになってから60年後のことである。 ステージからの引退にもかかわらず、「フォークの女王」あるいは「裸足のマドンナ 」として多くの人に知られているこの女性は、2023年に音楽ドキュメンタリーを発表してカムバックした。Joan Baez I Am A Noise』(ジョーン・バエズ、私はノイズ)、または『Joan Baez :フランス語で "Àvoix haute"と呼ばれるこの映画は、ミリ・ナヴァスキー、メイヴ・オボイル、カレン・オコナーが監督し、パティ・スミスが共同プロデュースした。
このドキュメンタリーは、ジョーン・バエズが2019年にお別れツアーを行った際に撮影された映像と個人的なアーカイブを組み合わせた113分のもので、60年にわたるキャリアの中で彼女が歩んできた人生、若きボブ・ディランとの悲痛なロマンス、そして数々の戦いの軌跡をたどっている。 なぜなら、ジョーン・バエズは彼女自身がアーティストであると同時に、献身的な歌手でもあるからだ。例えば、彼女はワシントンでの公民権運動からアラバマでの反差別デモまで、数多くのイベントに参加することをためらわなかった。これらは、ジョーン・バエズをこれほど魅力的で尊敬されるアーティストにした戦いのほんの一部であり、他の多くのアーティストが見習うべき手本である。
この没入型ドキュメンタリーは、時を超えた真の旅であり、ユニークな歌声を持つこの偉大なアーティストの人生とキャリアをより深く知る機会である。「ジョーン・バエズ:Àvoix haute"は、アルテで 2024年12月6日(金)午後10時30分より放送される。