カンヌ国際映画祭プレミエールセレクション：ナビル・アユシュ監督『Everybody loves Touda』の感想

2015年の監督週間に選出された『Much Loved 』の原作者ナビル・アユシュが、『Everybody loves Touda』でカンヌ国際映画祭2024年の カンヌ・プルミエール部門に戻ってくる。

トゥーダはシーカになることを夢見ている。シーカはモロッコの伝統的なアーティストで、何世代にもわたって受け継がれてきた抵抗、愛、解放のテキストを、謙遜や検閲なしに歌う。19世紀に生まれた口承詩「 アイタ」を歌うのがシーカの芸術だが、彼女たちのモラルや口調が自由すぎたため、後に禁止された。

そうなるまで、トゥーダは小さな田舎町の結婚式やバーでさまざまな歌を歌うことで満足していた。毎晩毎晩、彼女は酔っぱらった男たちの視線やさまよう手と戦わなければならない。男たちはすべてを汚し、歌い手が聴衆に課そうとする境界線を容赦なく越えていく。

足元に投げられたわずかなディルハムのために魂を売らなければならないことに疲れ、荒野での公演中に輪姦された直後（この映画の悲惨な最初のシーン）、若い女性は、札束の一番上に自分の名前があるのを見ることを夢見て、大都会カサブランカへ旅立つことを決意する。

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この強い女性を演じるために、ナビル・アユシュはスクリーンを魅了するモロッコ人女優ニスリン・エルラディを選んだ。ファム・ファタールであり、屈辱的な女性であり、勇気ある母親（聾唖の小さな男の子の面倒を一人で見ている）でもあるトゥーダは、家父長制に支配された 現代のモロッコ社会において、何よりも 自由な女性である。

ナビル・アユシュは、肉体を撮影する芸術の真の美学者であり、 熱狂的なダンスシーンの数々を、 モロッコ音楽が映画の第2の主人公として、空間を満たし、魂を慰める。トゥーダの声は、彼女が夢見る自由を呼び起こす。夜中の叫びのように、私たちを凍りつかせる女性の素晴らしい肖像。

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