エジプトの 宗教界上層部を舞台にしたスウェーデン発の 犯罪スリラーは、きっとあなたを唸らせるに違いない。第75回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞したばかりのタリク・サレハ監督の最新作『カイロの陰謀』がそれだ。舞台はカイロの宗教大学。非常に特殊な設定で、映画ではあまり見られないものだ。
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しかし、監督が我々をそのような環境に陥れたからといって、政治スリラーにつきものの権力闘争、裏切り、汚い手口、暗殺を防ぐことはできない。タリク・サーレ監督は、誰一人惜しむことなく、大導師の座を奪うためなら手段を選ばないイスラム・エリートたちの、根底から腐敗したシステムを告発することにした。
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エジプトにおける権力の舞台裏よりも、ここで興味を引くのはもちろんスリラーとしての側面であり、それは全体としてかなり成功している。捜査の体裁はすぐに整い、主人公がジハード主義者のグループに潜入することで、映画はかなりエキサイティングな展開に突入する。唯一の問題は、脚本が時折かなり反復的であることだ。
やがて大学で殺人事件が起き、エジプト警察はパニックに陥り、事件解決を担当する捜査官がアダムに助けを求める。このナイーブなキャラクターは、常に正しいことをしたいと願いながらも、逃れられないスパイラルに巻き込まれてしまう。決して驚くような作品ではないが、『カイロの陰謀』は良質で独創的なフィルム・ノワールであることに変わりはない。
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