ショーン・ベイカー監督『Anora』、2024年カンヌ国際映画祭パルムドール:私たちの評価

発行元 Manon de Sortiraparis · 掲載日 2024年6月27日午後04時01
カンヌ国際映画祭で名誉あるパルムドールを受賞したショーン・ベイカー監督の『Anora』は、2024年10月30日に公開予定だ。私たちの感想をご覧ください(ネタバレ:大好きです)。

ロサンゼルス(『Tangerine』)、フロリダ(『The Florida Project』)、テキサス(『Red Rocket』)に続き、ショーン・ベイカーは 新作『Anora』でもアメリカでの道を歩み続けている。プリンス・オブ・ ブロードウェイ 』の後、ニューヨークに戻ったアメリカ人監督は、今度はブライトン・ビーチのロシア人居住区にカメラを向けた。

ホステス・バーのトレーナーであるアニは、余暇にはエスコートもしている。男たちは男らしく振る舞い、ヌードダンサーは客に声をかけ、その魅力で金を巻き上げる。彫刻のような美しさを持つ若い女性は、若いロシア人イヴァン(マーク・アイデルシュテイン)と出会う。

母親にスカートを脱がされたばかりのこの未熟な若者は、自分がロシアのオリガルヒの息子であることを告げる。それはアニにとって天の恵みである。彼女は自分が階級からの脱落者だと思い込んでおり、放浪の旅と夜明けのチューブの旅からなる悲惨な人生を捨て去ることを想像していたのだ。ストーリーは大まかに『プリティ・ウーマン』を彷彿とさせるが、ショーン・ベイカーは実際にはジェームズ・グレイと リトル・オデッサ』を彷彿とさせる。

このニューヨークの監督は、 表現力豊かな編集と、超高速で交互に描かれるスケッチを通して、私たちが疑っているような超リッチな青春の親密さを、軽快ではあるが興奮した前半で垣間見せてくれる。親元を離れていることをいいことに(イヴァンの両親はロシアにおり、イヴァンは巨大な実家で一人暮らしをしている)、ふたりの恋人たちは気まぐれにラスベガスへと飛び立つ。

ペースが 速ければ速いほど、この急行する愛の物語も速い。しかしすぐにイワンの両親がそれを知り、ニューヨークのロシア人コミュニティーに助けを求める。アルメニア人の司祭トロス(カーレン・カラグリアン)が、若い2人に結婚式を中止させるよう家族に依頼されるのだ

正真正銘の検閲官である彼は、イーゴリ(ユーリー・ボリソフ)とガーニック(ヴァーチェ・トヴマシアン)という、まるでアイスクリームのキャビネットのような風貌の二人のニッケル・ドロワーを従えているが、車夫のように悪態をつき、雌ライオンのように闘うアニを前にすると、すぐに途方に暮れてしまう。というのも、ショーン・ベイカーは影の約束』版では、血に飢えたロシア人の決まり文句に陥ることはなかったからだ。選ばれたコミュニティは、マフィアの色合いを帯びたドラマチックな映画を想像させたかもしれないが、『アノーラ』は時に 陽気なコメディドラマとなり、 細かいセリフが飛び交う

息をのむほど魅力的なマイキー・マディソンのキャラクターは、フェミニストであると同時に女性的であり、ひび割れたように力強い。ニューヨークのナイトライフと若者の熱狂的なペースを捉えた 生き生きとした演出は現代のパルムドール受賞者にふさわしい 力強い肖像画である。2024年10月30日公開。

実用的な情報

開催日および開催時間
より 2024年10月30日

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