チュニジアの映画監督カウター・ベン・ハニアが監督したドキュメンタリー『Les Filles d'Olfa』が、権威あるカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品された。この映画は、4人の娘を持つチュニジア人の母親オルファの人生を描いている。オルファとその娘たちの物語を語るために、監督はヘンド・サブリ、ヌール・カルイ、イクラク・マタルらプロの女優を起用し、ドキュメンタリーとフィクションをミックスさせたユニークな撮影装置を設置した。
カンヌ国際映画祭は空席に終わったが、この映画が本当に輝いているのはその点である。ドキュメンタリーの制作過程、その準備、そして家族の過去のシーンに命を吹き込もうとする俳優たちの仕事を、映画監督が自ら監督しているのだ。そして、これらすべての人々が相互作用し、映画に何段階ものストーリーテリングを与えている。全体が形式的に不穏である。
フランスではあまり知られていないかもしれないが、2010年代にチュニジアで話題になった実話だ。オルファの2人の長女が失踪した経緯については、映画ではサスペンスを最小限に抑えているため、これ以上詳しくは語らないが、彼女たちの不在をめぐる物語は深い感動を呼ぶ。
その一方で、観客はこの家族の親密さに誘われ、オルファという曖昧なメンタリティを持つ母親を発見する。娘たちはオルファの口から常にひどい侮辱や脅し、さらには肉体的暴力を聞かされている。しかし、彼女の肖像画は感動的だ。母親は同世代のチュニジア女性の象徴として描かれている。その背景には、この社会に対する強い批判がある。これもまた、このテーマ性豊かな映画で扱われている主題のひとつである。
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