2023年のカンヌ国際映画祭で、マイケル・ムーア監督の受賞作 『華氏9.11』以来19年ぶりにドキュメンタリーがパルムドールの栄誉に輝いた。ワン・ビン監督による3部作(9時間に及ぶと発表されている)の第1部『Youth (Spring)』が、再びカンヌ国際映画祭のパルムドールに輝いた。
長編作品に慣れ親しんだこの中国人監督は、2014年から2019年にかけて、上海から100キロほど離れた製造業の町、Zhiliにカメラを構えた。より良い生活を求めて農村から逃れてきた少年少女たちを、彼は自由な手つきで(撮影は制作の邪魔にならないことを条件に経営陣から許可されていた)撮影した。
現実は、ポリエステルのドレスやビスコースのジョギングスーツを組み立てラインで作っている。ここで生産される衣服のほとんどが中国市場向けであったとしても、 ファストファッションの人間的・生態学的異端性を思い起こさないわけにはいかない。
より良い生活のため?ワン・ビンは、フィルターも作為もなく、この労働の過酷な現実のベールを脱ぐ。長い日数と指定された持ち場での繰り返しの身振り、絶え間ないミシンの騒音、そして、数日休むことなど考えられず、手を負傷すれば1時間以内に交代させられる、交換可能な出来高払いの労働者に対する上司からの圧力。時を刻む音と減らない布の山。 高速縫製は、編集工程で画像が高速化されるとさらに際立ち、軽快な小さな手をさらに速く働かせる。
そして、作業場や2階、プライバシーを許さないほど近接した寮での共同生活が常にある。母から娘へ、母から息子へと受け継がれる 生々しい資本主義が、 長い静止画や手持ち撮影で体験されるように撮影されている。しかし、この3時間半の中で、多くのポートレートを通して、ほんの少ししか触れられていないが、喜び、希望、そして愛さえも感じられる瞬間がある。
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