ティエン・アン・ファム監督の 初長編作品 『L'Arbre aux papillons d'or(黄金の蝶の木) 』が カンヌ国際映画祭2023年 シネアスト週間にて上映さ れ、 カメラドール2023を 受賞した 。 2019年のシネアスト週間では『Stay Awake, Be Ready』で短編賞を受賞しており、すでにカンヌ国際映画祭ではおなじみの 監督である。また、カンヌ国際映画祭のフォーカス・コプロ映画マーケットで『L'Arbre aux papillons d'or』を発表し、2019年にはロッテルダム映画祭でユベール・バルス基金の支援を受けた。
黄金蝶の木』は、 実存的探求の詩的な色合いを帯びながら、ベトナムの奥深い田舎を旅する、まさにイニシエーションの旅を提供する 。この映画は、サイゴンでバイク事故に遭い亡くなった義理の姉の遺体を持ち帰る任務を負ったティエンという男を描いている。事故から奇跡的に生還した5歳の甥ダオに連れられ、彼は数年前から行方不明になっている兄を探す旅に出る。
この長編映画は、ベトナムの野生の、そしてしばしばあまり知られていない田舎の風景の印象的な美しさを明らかにしている。 信仰の発見と 探求へのイニシエーションを通して、監督は死別や子供時代の終わりといった難しいテーマを喚起する。より具体的には、人生のさまざまな段階における死別との関係が探求される。ダオの子供のキャラクターは、この考えを思い浮かべるときに心が遭遇する不可解さと難しさを体現している。愛する人を失った後、どのように信念を貫くのか?
ほとんどシークエンス・ショットのみを使用し、監督は人生の中の空虚とも思える瞬間を映し出すが、それは結局、この映画が私たちに考えさせる精神的な問いかけにとって不可欠なものであることがわかる。こうした瞬間の繊細さがティエン・アン・ファムの 作品を特別なものにしており、この 長編 映画の極めて個人的な側面を際立たせている 。
黄金蝶の木』を包むこれらすべてのテーマが、非常に親密で、驚くほど美しい長編映画を作り上げている。
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