正反対のものが惹かれ合うというのは本当なのだろうか?モニア・チョクリ監督の『Simple Comme Sylvain 』は、2023年カンヌ国際映画祭の ある視点部門に出品される。かつてドラン銀河のスターであったケベック出身の彼女は、彼女自身のイメージ通り、フレッシュできらびやかでありながら、小悪魔的な笑いを誘う 作品を作り上げた。
モントリオールの哲学教師で、グザヴィエ(フランシス=ウィリアム・レオーム)と10年間生活を共にしてきたソフィー(マガリー・レピーヌ=ブロンドー)は、ローレンシャン地方にある田舎の別荘を改築するために雇われた大工のシルヴァン(ピエール=イヴ・カルディナル)に恋をする。一目惚れはすぐに成就する。
夫婦のベッド(ちなみに2人はベッドを共にしていない)よりも本に鼻を突っ込んでいる時間のほうが長いインテリか、それとも哲学よりも狩猟を好む、チェックの木こりシャツに身を包んだ精力的な森の男か。それは (非)男らしさについて、かなり単純化されたマニッシュなビジョンではないだろうか?
このテーマは普遍的であり、映画界にはこのテーマを扱った作品があふれているが、モニア・チョクリは ポップな演出スタイルでこの作品を独自のものにしている。温かみのある色彩で、この映画は非常に大胆で、神聖な180度ルールを無視し、コミカルな効果を狙ってシャープなズームに頼り、40代の若者たちがメルローのグラスを片手に、世間一般に蔓延する環境不安について嘲笑を交えながら語り合う、陽気な機関銃のような対話を中心に展開する。
しかし、 モニア・チョクリが大きな優しさをもって、批判することなく見守るソニアとは違って--彼女の目には、ボーイフレンドの稚拙なボキャブラリーを叱らずにはいられないが--ケベック人は、シルヴァンとミシェル・サルドゥーを愛する彼に対しては、それほど優しくはない。単純な人から単純な人になるには、たった一文字と一歩しかない。
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