ヨーロッパ・ツアーの最中、チェルシー・ウルフは2024年6月4日(火)にパリにいた。このアメリカ人アーティストは、首都18区にあるエリゼ・モンマルトルの会場で、彼女の素晴らしい最新アルバムからの曲を演奏することにしたが、それだけではない。She Reaches Out to She Reaches Out to She』と題されたこのアルバムは、2019年にリリースされた『Birth of Violence』に続くものだ。それ以前にも、カリフォルニア生まれのアーティストは2010年から2017年にかけて、すでに5枚のアルバムをリリースしている。そう、ドゥーム・メタル、ゴシック・ロック、エレクトロ・サウンド、フォークをミックスするこのシンガー兼ミュージシャンは、多作なタイプのひとりなのだ。ライブでは、チェルシー・ウルフは卓越し、魅了する。2024年6月4日、エリゼ・モンマルトルで行われた彼女の唯一のパリ・コンサートで、私たちはそれを目撃した。
午後9時とアナウンスされ、彼女が3人のミュージシャンに囲まれてステージに登場したのは、10分前のことだった。会場はメタル・ファンで満員だった。彼らのほとんどは黒い服を着て、ヘルフェスト(アーティストが6月末に参加予定のフェスティバル)のロゴが入ったTシャツを着ていた。
チェルシー・ウルフも黒い衣装に身を包み、万雷の拍手の中、ゆっくりとマイクに向かい、美しい「Whispers in the Echo Chamber」で呪術的なミサを始めた。アーティストは、パワフルな「Everything Turns Blue」、 「House of Self-Undoing」、「Tunnel Lights」で最新作の探求を続ける。暴力と優しさ、闇と輝きを融合させたこれら4曲で、チェルシー・ウルフは、拷問を受けたようなダークな、しかし信じられないほど魅力的な癒しの世界へと私たちを即座に引き込む。
もちろんメロディーもあり、それは穏やかに始まり、雷鳴のような高鳴りを伴う爆発へと発展する。そして、パワフルで官能的な歌声。ある時はささやくように、またある時は怒りと苦悩を叫ぶチェルシー・ウルフは、信じられないような「16 Psyche」や「The Culling」のように、頭や体を無秩序に動かした直後に腕の毛を逆立てることができるアーティストだ。
チェルシー・ウルフが感動的な 「Place In The Sun」で私たちの心を揺さぶる一方で、このアーティスト兼ミュージシャンは、酔わせる 「Dusk」、そしてアコースティックで演奏される「The Liminal」でさらに私たちを魅了する。信じられないほど美しい。控えめなタイプのアーティストは、ショーの終わりまで観客に挨拶し、来てくれたことに感謝し、すべてうまくいっているかと尋ねた。
そして、チェルシー・ウルフが1曲だけのアンコールのためにステージに戻ってきたのは、アコースティック・ギターを小脇に抱えたソロだった。約1時間30分のセットの後、彼女は「Be AllThings」の崇高な演奏で再び私たちを感動させた。
セットリスト
リマインダー