まだ数日間は、見上げて世紀の彗星を垣間見ることができる。2023年1月に発見された土山アトラス彗星は、2024年10月21日の日没直後まで見える。肉眼でも 双眼鏡でも、西南西の地平線方向に見えます。この彗星を見るためのヒントをお伝えしよう。
土山アトラスは天文学者によって「世紀の彗星」と評されている。直径20~40キロの核を持ち、9月27日に太陽に接近通過して生き残った。肉眼で見えるこのタイプの彗星は、100年に1度か2度しか発生しない。
彗星を観測するには、日没直後の午後7時ごろ、西南西の地平線方向を見る。彗星は最初は地平線の低い位置に見えるが、10月21日までの数日間で、徐々に昇ってくる。日没が早くなるにつれて、観測のチャンスは広がっていく。彗星を肉眼で見つけるには、北斗七星の尾を使って西の方角を探し、その延長線上にあるアルクトゥルスと呼ばれる明るい星を見つける。 彗星はアルクトゥルスの左側、やや低い位置を通過する。
2024年10月11日(金)から2024年10月21日(月)まで毎晩、数日間観測できる。フランスでは10月 13日(日)に最大に明るくなると予想されている。10月15日(火)には特に明るくなり、前日に地球が軌道面を横切ったときにはっきりとした線ができる。それ以降は、太陽から遠ざかるにつれて暗くなり始め、特殊な装置なしでは観測が難しくなる。
丘の上や、視界を遮る建物や樹木のない場所など、西の地平線を遮るもののない場所を選ぶことが重要である。都市部では光害が観測の妨げになることがあるので、できれば主要な光源から離れた場所を選ぶこと。
いいえ、日没直後、フランス本土では 午後7時15分頃から観測を始めることをお勧めします。彗星は薄明かりの中、太陽が沈んだ地点のやや左上でよりよく見えるからだ。
彗星をよく見るには晴天が不可欠。雲があると視界が遮られる可能性があります。観測を計画する前に、地元の天気予報をチェックしてください。
土山アトラス彗星は、太陽系の遠い領域であるオールトの雲から原始物質を運んできた。その塵とガスの尾を観測することで、科学者たちは太陽系を形成した始原物質の組成についてより詳しく知ることを期待している。この「氷の玉」は、貴重な科学的宝物を秘めている可能性がある。私たち自身の組成を理解し、始原物質と呼ばれるものを調べるまたとない機会を与えてくれるのだ。望遠鏡を使って、彗星核から放出される物質の組成を精査し、プルームに含まれる分子を分析することで、核の組成を追跡し、太陽系の天体を形成した基本的な元素を明らかにすることができる。
要するに、天文学に興味のある人なら誰でも、この特別な彗星を見上げて見るべきだということだ。