アーベックス(都市探検)やその他の廃墟ファンにはよく知られた場所だ。 ヴュー・ペイ・ドゥ・グーサンヴィルは、近代的な町の中心部からほんの数本入ったところにあるが、何よりも1970年代初頭に作られたロワシー空港の滑走路の端からわずか5kmのところにある。この立地は、決して悪い結果ではない。ロワシー空港からの絶え間ないフライトによる強烈な騒音公害のため、多くの地元住民や商店主が逃げ出し、この地域を「幽霊村」グーサンヴィルと呼んでいる。
グラン・ロワシー観光局の勧めもあり、思い切って訪れてみることにした。そして、グーサンヴィルの旧市街に降り立ったとき、それはまったくの驚きだった。この村は、ある人が想像するほど完全に見捨てられた村ではないからだ。この絵のように美しい場所を愛する人々がまだ住んでいるのだ。実際、ロワシー空港が開港する前にここに住んでいた1,000人の住民のうち、パリ空港が家を買い取ると申し出たにもかかわらず、ここに留まることを決めたのは300人ほどだった。メインストリートには学校がある。商業面では、書店(私たちが通りかかったときは閉店していた)が持ちこたえているようだ。
ヴュー・ペイ・ドゥ・グーサンヴィルには特別な雰囲気があり、 時が止まった村を発見したような不思議な感覚を覚える。城壁に囲まれた建物や、荒れ果てつつある遺跡も多い。
「空港が建設されると、第一騒音区域内の家屋を買い取り、取り壊すことをパリ空港に義務づける1973年の法令があります」と、ヴュー・ペイ・ドゥ・グサンヴィル協会のフィリップ・ヴィエヤール会長は2019年、BFMTVに語った。しかし、問題があった。村の教会は歴史的建造物に指定されており、教会から半径500メートル以内のものは取り壊すことができないのだ。「だから空港に残された解決策はただひとつ、家々を壁で囲うことだった」と彼はインタビューで付け加えた。それ以来、これらの塀の多くは訪れたグラフィティ・アーティストたちによって占拠され、いくつかの家は不法占拠された。
しかし、古い村のパブであったに違いない『オー・パラダイス』のようなナゲットも残っている。モニュメントに指定されている教会も、 古いグーサンヴィルの田園風景を見下ろす。
そして、1983年まで人が住んでいた 有名な18~19世紀の 城がある。今日、花々が咲き乱れる公園の中にあるこの城も廃墟となりつつある。そして、自然はこの古い建物の権利を取り戻しつつあるようだ。
現実の世界に入り込んだような不思議な感覚を味わえるグーサンヴィル旧市街の 珍しい散策は、その歴史だけでなく、ほとんど非現実的な雰囲気も楽しむ価値がある。さて、イル・ド・フランス地方の「幽霊村」を訪れる準備はできただろうか?