伝説的なムーラン・ド・ラ・ギャレットと 観光客で賑わうテルトル広場の間に位置する「ル・ボン、ラ・ビュット」は、友人と座って食べたり飲んだりするのが似合う、愛すべきパリのビストロのひとつだ。2019年、シェフのダヴィッド・ポランがこの魅力的なレストランの舵取りを引き継いだ!- そのビュートに登らなければならないのだ!)。
料理番組の 音響技師 だったマルセイユ出身のこの独学シェフは、ガストロノミーに惚れ込み、すべてを捨ててエプロンを身につけることを決意した。マレ地区のレストラン「ル・ポワトゥー」、ビュット・ショーモンからすぐの「ル・スクエア」で働いた後、モンマルトルの ビストロ・ド・ラ・メール・ヴネを引き継ぎ、「ル・ボン、ラ・ビュット」と改名したとき、ダヴィッド・ポランは料理への情熱を開花させた。
ル・ボン、ラ・ビュット」のメニューを考案するにあたり、この陽気で満面の笑みで迎えてくれる 悪党 シェフは、国境や海を越えた数々の旅からインスピレーションを得た。その結果、 フランス料理や スペイン 料理、時には日本の居酒屋からもインスピレーションを得た、短くてカラフルなメニューが誕生した。地中海沿岸からアジア、南米に至るまで、さまざまな影響を受けながら、その間に橋が架けられ、また壊されていく。
シェフのダヴィッド・ポリンは、アイディアに溢れ、自分に制限を課さない。シェフが決して妥協しないのは、 季節の食材の新鮮さと品質である。 主に、環境に配慮し、有機 農法に取り組むフランスの小規模生産者から仕入れる。 また、日本やガリシア地方にも足を伸ばし、特別な肉を手に入れることもある。
メニューはシェフの気まぐれと市場での仕入れによって頻繁に変わる。例えば、「ル・ボン、ラ・ビュット」では、ピクルスを添えた シェフの素晴らしい 三元豚のテリーヌ(10ユーロ)や、 コルシカの雌羊のミルクプリン(13ユーロ)を味わうことができた。ボリュームたっぷりで悪魔のように楽しい前菜2品。
パセリのムースリーヌと芽キャベツを添えた ラカン産の鳩(32ユーロ)、そして何といっても 放し飼いの鶏のポットロースト(24ユーロ)。もちろん、 メニューにある上質なワインのうち、ほとんど オーガニックとバイオダイナミック農法によるものだけに惹かれないわけにはいかない。アルザスのピノ・グリ(7ユーロ)は、まろやかな口当たりで、シロップのようにしつこくない。
フランス菓子の定番をチャーミングにアレンジしたモンマルトル・ブレスト(9ユーロ)と、アフター・エイトの甘い香りが漂うチョコレート・デザート(12ユーロ)を食べれば、モンマルトル山頂に戻る準備は万端だ。