昨年オープンした「ムグン」は、私たちがセンティエで最も気に入っている場所のひとつとなった。そして今、 食の季節の到来とともに、いつも元気なイザベルと気配り上手なウェイトレスたちに率いられた同じチームが、新たな 美食の巣窟 「ムーン・フュージョン」をオープンする。
今回は、賑やかな モンマルトル通り 、そして鏡と金箔で飾られたこのレストランに向かう。驚くべきことだ。祭壇の前にあるのは、一見何の共通点もない2つの料理、つまり日本 料理とイタリア料理だ。しかし、同じ皿の上で組み合わされると、完璧にマッチする。
独創的な 韓国料理で パリだけでなく世界中の美食家や食通を唸らせたイザベルが、同じように、奇抜とまでは言わないが、アルプスの繊細な味と食材を 日本の技法と融合させたメニューを考案した。
フュージョン料理が 年々その信用を失っていることは、神のみぞ知るところである。90年代から2000年代にかけて人気がピークに達した後、この 同化の料理は、世界の四方からのインスピレーションを融合させながら、次第にその輝きを失っていった。しかし、 ムーン・フュージョンはどうだろう?
メニューはやや長めだが、そんなことはお構いなしに、この店でぜひ味わってほしい料理を勧めてくれる店主の言葉に身を任せる。まずは、長方形でとてもサクサクしている 海老ネム(3つで13ユーロ)、クリーミーな具が入った 海老タコス(3つで15ユーロ)、自家製ガーリックソースがかかった鶏肉バオ(2つで14ユーロ)、食感を楽しむ スパイシーサーモン入り揚げ出し豆腐(3つで12ユーロ)。
このレストランでは、伝統的な日本料理店(巻物、寿司、刺身)に期待されるあらゆる名物料理も提供しているが、イタリア産の食材を使って アレンジを加えている。ブラック・クリスピー・サーモン(3人前15ユーロ)にはトリュフ・ソースとストラッチャテッラが添えられ、ムーン・ロール(20ユーロ)には海老の天ぷら、うなぎ汁、ピスタチオが組み合わされている。まさにオリジナルだ!
中でもおすすめは、XXLの小籠包のようなムーン・バオ(8ユーロ)と、自家製ラー油を使った中国の茄子・ホンシャオ風シェフの茄子(16ユーロ)だ。ムーン・フュージョンとムグンの中間のようなイザベルと彼女のチームは、アジアの国々を旅するような気分にさせてくれる。そして今回もまた、うまくいっている!