近年、伝統的なケバブは、有名なベルリンのケバブや、様々な野菜や新鮮なハーブをふんだんに使ったケバブに押され、パリではその地位を失っている。しかし、昔ながらのケバブで、いまだ侵略者の前に立ちはだかる店がある。
この店を経営するエルカン・カヤとオズカン・カヤの兄弟は、17区を楽しませただけでは飽き足らず、今度は18区、バルベス近郊にも昔ながらのケバブを食べにやってくる。
昔ながらのケバブとは、変わらぬ秘伝のレシピを意味する。毎日その場で焼かれる風通しの良い自家製パン、長時間漬け込まれスパイスで丁寧に味付けされたフランス産の肉 、ほとんどの場合フランス産の野菜、自家製のホワイトソース。
お分かりのように、ここには余計なものは何もなく、フレッシュチーズも香草も見栄のためのものではない。メニューにあるレシピはひとつだけで、細部まで練り上げられ、ローフ、ガレット、プレートとして提供される。
厨房では、お腹を空かせたパリジェンヌたちが赤い住所の前に集まり、注文がどんどん入ってくる。伝統的なフレール・デ・バティニョールのケバブは、その 風味豊かな肉、オレンジ色のマリネ液がパンにほどよくしみ込んだ味わい、そしてそのボリュームで、通をも唸らせる!